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飛べない恐竜の羽毛は何の役に立つのか?

教科書(3学年p.95)にも掲載されている羽毛恐竜のように,近年の研究では,数多くの恐竜が羽毛をもっていたという説が主流となっています。羽毛のおもな役割については,現代の鳥類では,飛行の際に重要なはたらきをもつと説明されます。しかしその一方で,恐竜は基本的に空を飛ぶことはできません。では,この形質の役割は何なのかということになりますが,実は古生物学者たちが議論を重ねているにもかかわらず,明確な解答は見つかっていません。有力な仮説としては,からだの保温や,色彩豊かな羽色を利用した求愛行動が目的といったものがありますが,韓国・ソウル大学校の研究チームは,羽毛を利用して“隠れた獲物を追い出す”機能に注目し,新たな仮説を提唱しました。
現代では,ツグミなどの一部の鳥類が,地上や樹上で羽をバサっと広げることにより,茂みに隠れていた虫などを驚かせ,あわてて飛び出してきたところを食べるという行動が観察されます。この捕食行動は「フラッシュ・パースート・フォレイジング(flush-pursuit foraging)」とよばれます。響きがかっこいいですね。研究チームは,この行動が羽毛恐竜にもあった可能性を検証するため,カウディプテリクスという羽毛恐竜をモデルにしたロボット「ロボプテリクス」を用いて実験しました。恐竜ロボ…こちらもかっこいいです。実験では,このロボットの前に置かれたバッタが,ロボが羽を動かした場合と動かさない場合とで,逃げる行動の頻度を比較しました。その結果,羽を動かしたほうがバッタの逃げる確率が大幅に上昇し,また,羽に模様がある場合や,尾羽もいっしょに動かす場合に,さらに効果が高まることも確認されました。
本研究の結果により,もともと狩りに有効な形質であった羽毛が,鳥類への進化の過程で飛翔能力にもつながったという可能性が示唆されました。

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