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※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.62>

 SDGsを意識して脱炭素社会へ   熱の効率的な利用

 熱エネルギーは,エネルギーを変換するときに発生しやすいエネルギーです。熱は周囲にすばやく伝わり,広がりやすい性質があるため,熱エネルギーを保持したり利用したりすることは簡単ではありません。それでも,私たちは熱を逃がさないくふうをしてきました。

 身近なところでは,図38のように,伝導の起こりにくさや,物質の熱をはなつ性質などを利用しています。そのほか,冬でも外の熱で室内をあたたかくするヒートポンプ(図39),従来の火力発電よりも効率が高いコンバインドサイクル(図40)なども実用化されています。

 私たちは,燃料を燃焼させたり,電気エネルギーを熱エネルギーに変換したりして,熱エネルギーを利用することもあります。しかし,このときは二酸化炭素も発生させている場合が多いのです。つまり,熱を上手に利用すれば,二酸化炭素の排出量を減らすことができ,温暖化対策にも効果が出る,ということになります。

(a)保温容器

容器は2重で,内部が真空になっ ている。真空では,熱を伝える物 質自体が存在しないため,伝導が 起こりにくい。また,外びんの内 側,および内びんの外側には,放 射が起こりにくくなる処理がほど こされている。

(b)吸湿発熱繊維の肌着

肌着(繊維①) は, 肌から発生した水蒸気が結びつい て水に変わりやすい素材を使用し ている。水は気体から液体になる ときに熱をはなつ性質があり, こ れが起こりやすいために暖かく感 じる。また,服( 繊維② ) の中に は,空気が多くふくまれている。 空気は伝導が起こりにくい性質が あり,中の熱が外に逃げづらい。

図38 熱を効率よく利用する

物質が液体から気体になるときに熱を吸収し,気体から液体に なるときに熱をはなつ性質を利用する暖房設備。熱の交換に 適した冷 れい 媒 ばい という物質を用い,冬に気温が低くても屋外の熱を 室内に取りこみ,室内へ熱を放出することができる。電熱線を 利用した暖房器具より少ない電力で,室内をあたためられる。

図39 ヒートポンプのしくみ

従来は,燃料を燃焼させたときに発生する熱で,高温高圧の水蒸気 をつくり,それで③の蒸気タービンを回すだけであった。しかし, コンバインドサイクルというしくみでは,②でも③でも発電機を回 すことで,従来と同じ電力量をつくる場合と比較して,発生する二 酸化炭素を減少させている。

図40 コンバインドサイクルのしくみ

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