※このウェブページは中学校理科3年の学習内容です。<3年p.218>
3 人間活動と大気をめぐるつり合い
地表付近の大気の成分は,体積比で窒素約78%,酸素約21%,アルゴン約0.9%,二酸化炭素約0.04%などである。大気の成分は,地球の歴史の中でそもそもゆるやかに変化してきたが,近年では人間活動が大きな影響をあたえている。
地球温暖化
地球の年平均気温は,少しずつ上昇している(図5)。これを地球温暖化といい,その原因のひとつとして考えられているのが,大気中の二酸化炭素濃度の増加である。
大気中の二酸化炭素濃度は,図6のように年ごとに高くなっている。この濃度の増加は,人間の活動が活発になってきたころと一致する。このことから,石炭や石油・天然ガスなどの化石燃料の大量消費,世界的な規模での森林の減少などが原因と考えられている。
大気中の二酸化炭素には,地球から宇宙空間に放出される熱の流れをさまたげ,大気や地表を暖めるはたらきがある(図7)。このはたらきが温室効果である。また,二酸化炭素のような温室効果をもつ気体を温室効果ガスという。
地球温暖化が進むと,海水面の上昇,海洋表面温度の上昇,異常気象,生態系の変化など,地球全体に重大な変化をもたらすおそれがある。そのため,地球温暖化は世界で取り組む重要な課題であるとされ,二酸化炭素の排出を減らす取り組みが各国で行われている。
オゾン全量は1990 年代前半にかけて大きく減少したが,対策が立てられ,1990 年代後半に減少傾向が止まった。2016 ~ 2020 年では,1994 ~ 2008 年に比べて,わずかに増加の傾向も見られた。しかし,2022 年では,ふたたびオゾンホールが大きくなるなど,少ない状態が続いている。ただ,今の対策を維持すれば,2066 年ごろには,現在のように減少する以前の自然の状態にもどると予想されていて,環境問題が解決した成功例になると期待されている。
図7 オゾン全量の変化(世界平均)❸
❶ オゾン全量とは,ある地点の上空に存在するオゾンの総量である。
❷ 出典:気象庁ウェブサイト資料「二酸化炭素濃度の経年変化」
❸ 出典:気象庁ウェブサイト「オゾン全量の経年変化」