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2|太陽の動き
太陽の1日の動きを,宇宙からの見え方と地球上からの見え方の2つで理解しようとしたとき,どのように科学的に探究できるだろうか。
探究4 太陽の動きと観測者の関係
気づき
観測者から見た太陽の1日の動きは,宇宙から見たときどのように説明できるのでしょうか。
下のスライドから,太陽の動きをアニメーションで確認することもできます。
図7 1日の太陽の動き(埼玉県越谷市)
課題
1日の太陽の動きは,「宇宙からの見え方」「地球上からの見え方」でどのように説明できるか。
仮説
太陽は真東からのぼって真西に沈むはず。天球で表したとき,動きはこのようになるんじゃないかな?
地球にいる観測者から太陽を見ると,太陽はどのように動いて見えるだろう。
計画
地球の地軸は公転面から傾いていて,観測者が私たちのすんでいる北半球にいると考えよう。このときの太陽の見え方をどうやって表そうか。
太陽との角度が複雑でモデルが立てにくいな。地球儀と光源をもってきて,実際に観測者と太陽との関係を考えたほうがよさそうだね。
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方法
コンピュータの天文ソフトを使って,太陽の道筋を調べてもよいですね。
準備
方位磁針,時計,透明半球,厚紙,油性ペン,セロハンテープ,ものさし,自作の球面分度器
1.透明半球を固定する
厚紙に透明半球と同じ大きさの円をかいて中心を決める。透明半球を厚紙にはりつけ,方位を定めて野外の水平な場所に固定する。
2.透明半球に太陽の位置を記録する
油性ペンの先端の影を円の中心に合わせて印をつけ,時刻を記入する。この操作を1時間ごとに行う。
ペンの先端の影を中心に合わせると,右のように,透明半球につける印は,半球の中心に観測者がいると考えたとき,観測者から見た太陽の位置と一致します。
注意!! この図は考え方の説明である。実際に半球の中心で観測をするわけではない。
3.太陽の位置を曲線で結ぶ
① 観測した点をなめらかな曲線で結ぶ。その線を透明半球と厚紙が交わるところまで延長する。
② ①の曲線で,太陽の高さ(太陽高度)が最も高くなったときの角度を球面分度器ではかり,印をつけておく。
分度器を使って,厚紙から球面分度器を作る。
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結果
ポイント
太陽高度が最も高くなったときの方位,またそのときの時刻に注意して記録する。
考察
ポイント
透明半球に記録した太陽の道筋を説明するモデルを考える。
探究5 太陽の道筋の季節変化
方法1.〜3.のようにして,太陽の道筋の1日の変化を季節を変えて観測する(たとえば,冬至,春分・秋分,夏至など)。
このとき,季節ごとの太陽の道筋を1つの透明半球に記録する。
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探究4 結果から考察する
結果
太陽は東の空から昇り,南の空を通って西の空に沈む。
太陽が最も高くなったときの方位…南
太陽が最も高くなったときの時刻…12時ごろ
透明半球につけた印を結んだ曲線は,日の出から日の入りまでの太陽の動きを表している。
曲線の先が厚紙と交わる2つの点は,それぞれ,日の出と日の入りの方位である。
透明半球上で1時間ごとの太陽の動く距離は一定である。
図8 探究4の結果例
考察
地球上に観測者を立たせて,地球を自転させると,観測者から見える太陽の方向は,時間とともに図9のように動いた。このように考えると,太陽の道筋が説明できる。
図9 太陽の道筋を説明するモデル例
地球上の観測者から見ると,太陽の見える方向がだんだん変わっていくことがわかります。
このモデルから考えると,観測者が南を向いているとき,太陽の位置は観測者の左手側から右手側(東→南→西)と変わっていきます。
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1 太陽の1日の動き
太陽の1日の動きを,太陽の【日周運動】という。太陽の日周運動で,太陽高度が最も高くなるのは,太陽が真南の方向にきたときである。このとき太陽が【南中】❶したといい,南中したときの高度を【南中高度】という。太陽の日周運動は,地球が地軸を中心にして,1日に1回,一定の速さで西から東へ自転していることによって起こる(図10)。