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地震による崩壊が生態系にもたらす影響

山崩れや崖崩れ,あるいは一般に土砂崩れとよばれている現象は,専門的にはまとめて「斜面崩壊」といいます。斜面崩壊は世界的に発生する自然災害ですが,その中でも,斜面をおおっている土層が不安定化し流動する「表層崩壊」は,山地が国土の多くを占め,また地震大国でもある日本では,毎年数多く起こっており,多大な人的・経済的被害を引き起こしています。表層崩壊は土砂災害の引き金としてひろく認識されており,その発生メカニズムや地形学的な挙動の解明は進んでいる一方で,表層崩壊がもたらす自然環境への“見えにくい”影響については,ほとんど注意を向けられてきませんでした。
2018年に起こった,最大震度7を記録した北海道胆振東部地震では,6000を上回る箇所での表層崩壊が発生したことが知られています。そこで国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)はその影響を,水質分析と,環境中に存在する特定のDNA解析により調査しました。その結果,崩壊で生じた堆積物内では,酸素が乏しい環境が形成され,河川の水質や微生物の構成に変化がもたらされることが判明しました。またこの調査では水質汚染は確認されなかったものの,流域環境の変化は継続する可能性があり,今後の水資源,ひいては生態系の評価に対しての重要な知見となります。

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