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高難度:アサガオを観察せよ

毎年言っている気がしますが,この夏の暑さは格別でした。気候の変化に代表される時代の変遷によって,学校の夏休みでも,ひと昔前では考えられないさまざまな変化が起こるようになっています。
近年の夏休みは,ネット上にある多くの情報を活用できるようになったことで,簡単になった課題があります。定番の絵日記や自由研究はその代表で,毎日の天気の記録や,研究の参考となる動画を誰でも手軽に見られるようになり,難易度は大きく下がりました。その一方で,かつては小学校低学年で誰もが取り組んでいた,“アサガオの観察”という課題が非常に困難となっています。
アサガオは,1日のうち光に照らされる時間がある程度短くならないと花がさかない,「短日植物」という種類に分類されます。この性質によって,夏至の日を過ぎて少し日が短くなり,夏本番となってから開花するため,夏休みの課題にもってこいだったのですが,夜も照明が照りつける都市部では,この調節がうまくいきません。それでも,日没に合わせておおいをかぶせるなどの対応をとることはできるのですが,さらに難易度が高いのは,種ができるようすの観察です。温度が高いほうが生命活動は活発になるという感覚とは逆に,アサガオでは,温度がある程度低いほうが種を結びやすいという性質があります。そのため,8月の終わりまで平気で連日35℃を上回るような暑さのなかでは,種を得ることが非常に難しくなってしまいました。
ただ,アサガオの観察という課題自体は難しくなってしまったものの,“うまくいかないこと”や“失敗の原因”を調べることも立派な科学です。アサガオの植物としての特徴と気候の変動とを関連づけて学習を深める,よい機会ととらえることもできるのではないでしょうか。
※正確には,光の当たらない時間が一定以上長くなければならない。

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