クラスに1人楽しそうな友達がいると,クラス全体が明るい雰囲気になる-このような経験,ないでしょうか?実は,こんなふうに感じるのは,どうやらヒトだけではなかったようです。
中国の南方医科大学の研究チームは,マルハナバチ間でポジティブな状態が短時間で伝わり,ある個体がポジティブな状態になると,それを見たもう1個体の行動判断も楽観的なものに変わることを示しました。
これまでに行われた研究によって,このハチは,予期せずにエサ(砂糖水)を与えられると,『ポジティブな』状態となり,エサがあるかどうかわからない色の花にも積極的に向かうようになることが知られていました。今回の研究はこれを発展させたもので,ある個体に予期せぬエサを与えて『ポジティブ状態』にした後,この個体に30秒接触した他の個体は,エサのあるかどうかわからない花にも,より迅速かつ積極的に反応することが示されました。この現象は,ハチどうしが透明な仕切りで区切られていても観察されるものの,暗闇では消失することがわかっており,視覚情報が不可欠であることが示唆されています。
注目すべきは,このハチはミツバチやスズメバチなどと同様,巣をつくって集団でくらすハチのなかまということで,研究者は,この現象が巣全体の探索や警戒など,集団行動に利益をもたらす可能性があると指摘しています。今回判明した,ヒトとはまったく異なる神経系をもつ昆虫でも,短い視覚的なやり取りで情動に相当する変化が起きる点が,ヒト以外の動物の『心』や,効率的な情報処理の理解に重要な示唆を与えるものとなりそうです。
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