身近な建築資材であるコンクリートは,安価で強い反面,製造時に大量の二酸化炭素を排出するという特徴があり,その排出量は,実に世界の総排出量の約8%を占めています。
そこで,米ペンシルベニア大のプロジェクトでは,持続可能な素材と,資源節約型の設計とを組み合わせることで,コンクリートとしての強度を保ちながらも環境への負荷を下げることを目指しています。多孔質で表面積の大きい格子状の構造を3Dプリンターで作り,珪藻土(けいそうど)をセメントの一部に置き換えることで,従来より142%も多くのCO2を吸収し,材料の使用量を約6割削減した歩道橋案を示しました。この多孔質構造には,生物の骨に着想を得たとのことです。さらに,モジュール接続により各パーツをつなぎ合わせる構造によって,建設資材・エネルギーを約25%削減し,鋼材の使用も大幅に減らせるとしています。同大の研究チームは,この手法でまず橋のプロトタイプを建築し,この橋は荷重試験に合格して展示中で,フランスでの実物建設許可も得ています。
珪藻土の供給や,大規模普及のための輸送経路の整備,長期耐久性の確認など,課題は残っているものの,橋以外にも床材などへの応用を見すえて,コンクリートの大幅な低炭素化に新たな期待が寄せられています。
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