北海道大学と九州大学の研究チームは,計算の複雑さからこれまで避けられてきた「カオス軌道」を利用して,衛星を地球周回軌道から月周回軌道へ導く新しい航路を考案しました。これまでは数学的に,地球・月・太陽の3つの天体が相互に影響をおよぼしている場合,航路を計算することが難しく,この場合は月のような最も影響の小さな天体を無視するのが一般的でしたが,今回研究チームは,新たな計算手法によって,一見不安定でもしっかりと機能する経路を得ることに成功しました。新たな手法では,3つの天体の影響の不安定さを逆手にとり,短い範囲内で最適な経路を計算することをくり返すことに新しさがあります。この手法による計算結果では,従来よりも燃料を節約し,より短時間で月に到達できる軌道を設計できることが示されました。
この方法は今後の月への物資の輸送だけでなく,より一般的な惑星探査における軌道の設計への応用も期待されています。
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