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スマホはもうアチアチにならない?スピントロニクスの可能性

スマホをつい長時間使っていたら,気づけば本体がさわれないほど熱く…。そのような経験,ないでしょうか?
スマートフォンをはじめとする電子機器の発熱は,電子が回路内を移動する際に抵抗が生じることで,電気エネルギーの一部が熱に変換されることが原因です。このときに失われるエネルギーを抑える新技術として注目されているのが,「スピントロニクス」です。電子は,それ自体が方位磁針の北・南のように,決まった向きをもっており,この向きを「スピン」といいます。スピンの向きの情報は,電子から電子へと伝わる性質があるため,この性質を利用し,電子自体は動かさずに向きの情報のみを利用することで,発熱を大幅に抑えることができます。
ただし,電子スピンのこの性質を利用するためには,大きな課題がありました。スピンを制御するためには外部の強い磁石を使う必要があり,これが電子機器ときわめて相性が悪かったためです。しかし,オランダのデルフト工科大学で行われた最新の研究では,特殊な素材を組み合わせ,重ね合わせることで,外部の磁石を使わずにスピン流を安定的に生成することに成功しています。実用化に一歩前進したといえる成果です。
この研究が進むことで,手もとのスマホがアチアチになることを防ぐのみならず,いずれは巨大なデータセンターのサーバー管理などまでもが容易になり,省エネ性能に優れた情報伝達技術の実現に大きく貢献する可能性が示されています。

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