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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.142>
3|さまざまな力
1 弾性力
ばねにのせたおもりが動かないとき,おもりにはたらく2力はつり合っている。このときの1つの力は重力であり,もう1つは,ばねがおもりを押す力である(図19)。変形した物体がもとにもどろうとする性質を弾性といい,弾性により生じる力を【弾性力】という。
机の上に置かれた物体が動かないのも弾性力が原因である(図20)。
2 摩擦力
台の上の物体を押しても動かないことがある。これは,物体が動くとき,台の面から物体に【摩擦力】がはたらくからである。摩擦力は,加えられた力と反対向きに生じ,2つの物体がふれ合っている面と面の間で,物体の運動をさまたげるようにはたらく。2力がつり合って物体が動かないとき,摩擦力は加えられた力とちょうど同じ大きさである(図21)。
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※このウェブページは中学校理科1年の学習内容です。<1年p.143>
3 磁力
磁石は鉄でできた物体を引きつける。また,磁石のN極とN極,S極とS極では,たがいにしりぞけ合う力がはたらく。N極とS極ではたがいに引き合う力がはたらく。このような力を【磁力】という(図22)。
4 電気の力
プラスチックの下じきで髪の毛をこすると,髪の毛が下じきに引きつけられる。このように,2種類の物体をこすり合わせると電気が生じ,たがいに引き合ったり,しりぞけ合ったりすることがある。このような力を【電気の力】という(図23)。
離れていてもはたらく
接しているときはたらく
図24 力の種類
ニュース
- 「重力」と「電気の力」は同じものだった? 2025年7月23日教科書では,力の種類を紹介するとき,「重力」と「電気の力(電磁気力)」を別々のものとしてあつかっています(1学年p.131,143)。しかし,この区分が見直され,この2つの力は本質的に同じものとみなされる日が来るかもしれません。 フィンランドとオーストラリアの研究チームは,重力と電磁気を時空の『しわ』として統一的に説明しようと試みました。『しわ』とは,わたしたちもよく目にする,布にできるあの『しわ』です。今回発表された理論では,重力は時空が垂直方向に沈む『縦しわ』,電磁気を時空の横方向の微細な伸縮,つまり『横しわ』として解釈されます。非常に難解ですが,イメージとしては,縦しわは布が折り曲げられたりしてできるしわ,横しわは布自体の繊維のつくりによってできるしわに例えられます。研究者たちは,コンピューターで縦しわと横しわのある巨大な布,“宇宙サイズのシーツ”をつくって,そのシーツにできた『しわ』に対するシミュレーションを行い,時空が『しわ』を減らそうとするようすを観察しました。その結果,重力によってシーツにできた『縦しわ』による影響が,『横しわ』,つまり電気を帯びた粒子が電場や磁場から受ける力とも整合性がとれることが確認されました。すなわち,重力・電気の力は別々のものではなく,相互につながっていることが理論的には確認されたといえます。あくまでイメージですが,布にできるしわは,布にどのような力がはたらいてできたかだけではなく,布自体がどのような繊維でできているかからも説明がつきますが,どのような説明であっても,結局しわにはちがいない…といった例えとなるでしょうか。 今回はコンピューター上でのシミュレーションであり,実験的に検証するには,現在のところ非常に難しいことも判明していますが,この理論が実証されれば,重力と電磁気は1枚の布の模様のちがいにすぎなかったという新たな統一的視点が確立され,そのときには教科書の説明も書き換わることでしょう。 論文リンク
- 回る磁石と浮く磁石:新たな磁気浮上現象の発見 2025年5月7日磁石の同じ極どうしの間にはしりぞけ合う磁力がはたらき,たがいに反発することは,おもちゃからリニアモーターカーにまで利用される身近な現象です。これをうまく利用すると,下側からの磁力によって,上側の磁石を浮かび上がらせることができます。これが「磁気浮上現象」とよばれるものですが,原理がシンプルなこともあり,この現象はおおよそ調べつくされたと考えられていました。しかし,ごく最近になって,新たな磁気浮上現象が発見されました。2つの磁石を用意し,一方の磁石を回転させると,その影響でもう一方の磁石が空間に固定されることが判明したのです。従来の磁気浮上とは異なり,単に重力と逆向きの力を発生させるのではなく,特定の位置に維持されるしくみです。 この新たな磁気浮上現象は,実は簡単に再現することが可能なのもポイントで,2つの磁石と,毎分1万回転程度の家庭用の電動ドリルという,ごく簡単な装置で試すことができます。こんな簡単な装置でも,浮かんだ磁石は,直感に反する見たことのない挙動をしますので,ぜひリンクから動画を見ていただきたく思います。 なお,この新たな磁気浮上現象を引き起こす原理は難解なうえ,まだ研究途上段階にあるため,今後の詳細な調査が待たれるところですが,興味深い結果として,『小さな』磁石を浮かび上がらせるときのほうが,回転する側の磁石をより速く回す必要があり,さらに,空間に固定される位置はより『遠く』になることがわかっています。『大きな』磁石を『近く』に浮かばせるほうが,より速く回転させるエネルギーが必要となりそうなものですが,ここでも直感に反した挙動となることは,非常に面白いものといえるでしょう。 この磁気浮上現象は,非接触式のロボットアームや磁気スプリングなどの工業的な応用にも適しており,さらなる研究が期待されています。 もと記事リンク(外部サイトに繋がります。公開から時間がたつと繋がらない場合があります) 動画リンク
- 1-3-3-3 2023年1月1日この節に関わるニュースはまだありません。